領事関連情報 - 安全情報
● 安全の手引き
平成27年2月
在デュッセルドルフ日本国総領事館
I. はじめに
II. 安全の手引き
1. 安全に対する基本的な心構え
2. 当地における最近の犯罪発生状況
3. 安全のための注意事項
(1) 一般的な注意事項
(2) 住居関係
(3) 外出時
4. 交通事情と事故対策
5. テロ・誘拐対策
6. 緊急連絡先
7. 緊急の場合の現地連絡用語等
III. 在留邦人用緊急事態対処マニュアル
1. 平素の準備と心構え
2. 緊急時の行動
3. 緊急時の持出品チェックリスト
I. はじめに
ドイツは比較的治安の良い国といわれていますが、日本に比べて多くの犯罪が発生しています。ノルトライン=ヴェストファーレン州でも空港、駅、ホテル、メッセ会場、レストランを中心としてスリ、置き引きなどが多発しており、日本からの旅行者、出張者及び在留邦人の方々が被害に遭っています。そこで当館では、犯罪被害を防止するための心構えや留意事項などを「安全の手引き」として簡単にまとめました。皆様の安全で快適な生活の一助となれば幸いです。
II. 安全の手引き
1.安全に対する基本的な心構え
○ 安全に対する意識を持ち続けること
日本のお店が建ち並び、多くの邦人が行き交う当地では、身近な脅威への警戒心が緩みがちです。平素から防犯対策を怠らず、当地にふさわしい安全意識で行動して下さい。
○ 自己防衛意識の醸成
自分の身は自分で守る意識を持ち、日頃から危険情報の収集に心がけましょう。
○ 単独での行動、パターン化された行動は避けること
危険な場所への立入りや夜間の単独行動は避けて下さい。
生活行動がパターン化しないよう心がけましょう。
2.当地における最近の犯罪発生状況
2013年のノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州犯罪統計による発生状況は次のとおりです。
(1) 犯罪の発生件数
1,484,943件(前年比-33,420件)
(2) 罪種別発生件数
窃盗 656,558件(前年比-12,785件)
空き巣 54,953件(前年比+786件))
すり 49,571件(前年比+ 5,956件)
車上ねらい 102,407件(前年比-11,143件)
強盗 14,678件(前年比+111件)
殺人 347件(前年比+28件)
傷害 115,314件(前年比-3,434件)
性犯罪 10,484件(前年比-14件)
(3) 特徴
○ すりが約6,000件増加しており、被疑者全体に占める外国籍者の割合は75%以上。
○ 空き巣が昨年に続いて1995年以来の最多件数を更新。
○ 暴力犯罪が減少する中、殺人と強盗は増加。
(4) 邦人の被害状況
○ 現在のところ、日本人だけを狙ったような事件はみられませんが、駅、空港、観光地、ホテル等不特定多数の人が集まる場所で置き引きやスリの被害に遭うケースが多くみられます。また、着衣に液体をかけるなどして巧みに注意をそらしながら携行品を盗む手口も多発しています。
3.安全のための注意事項
(1) 一般的な注意事項
・ 個人や家族を特定する情報を不特定多数に知らせない。
・ 住宅の鍵(二重ロック)をしっかりかける。
・ 自宅周辺を徘徊する者など不審動向への注意を怠らない。
・ 家族又は同僚に、自分の行き先及び帰宅時間を知らせておく。
・ 知らない場所で面識のない人物と会うことは避ける。
・ 生活行動のパターン化を避ける。
(2) 住居関係
<犯罪手口例>
ⅰ) 気分が悪くなった、水をくれなどといって入り込もうとする。
ⅱ) 事故等緊急事態だといって電話を借りようとする。
ⅲ) 隣家に花やプレゼントを持ってきたが不在なので預かってほしいという。
ⅳ) 水道局員等を装い、メーターの確認などを口実に侵入を試みる。
<対策>
・ 強盗、空き巣、詐欺等を念頭に住居の防犯対策を強化しましょう。
・ 交通の利便性よりも、治安のよい場所を選びましょう。
・ 窓からの侵入を防ぐため施錠を確実に行い、場合によっては格子等を設置する。
・ 鍵を紛失したときは、早急に鍵を取り替える。
・ 自宅の鍵を開けるときは、周りに不審者がいないか確認してから行う。
・ 長期にわたって家を空ける場合は、外部から留守を悟られないようにする。
(オートタイマー付き電灯の活用、ポストの郵便物撤去等)
・ 日頃から近所付き合いを心がけ、付近の居住者と不審者の区別がつくようしておく。
・ 修理業者等を自宅に呼ぶ時は事前に日時を決める。職人の氏名等身元を確かめる。
・ 訪問者への対応時は、相手を確認してからドアを開ける。未知の人物に対してはドアを開けないで対応する。
(3) 外出時
(イ) スリ・置き引き
<犯罪手口例>
ⅰ) 道を教えてくれと話しかけ、対応する隙を見て仲間が財布を抜き取る。
ⅱ) 空港やホテルロビーで床等に置いた荷物を置き引きする。
ⅲ) 電車等でベビーカーの積み降ろしを手伝ってくれと話しかけ、手伝っている最中にバッグ等を盗む。
ⅳ) 衣服にシャンプー等の液体をかけた後、呼び止めて衣服を脱がせ、注意をそらした隙に荷物を盗む。
<対策>
・ 多額の現金を持ち歩かない。
・ 路上で現金を数えたりしない。
・ 大勢に取り囲まれた場合、大声をあげる。
・ ベビーカーに鞄を引っかけない。
・ ズボンの後ろポケット等、盗まれやすい場所に貴重品を保管しない。
・ かばん等の荷物は体から離さない。目を離さない。
(ロ) 自動車盗、車上狙い関係
<犯罪手口例>
ⅰ) 「ペットが車にひかれた」、「タイヤがパンクしている」、「車の後部が壊れている」などと声をかけて、運転者を車外に誘い出した隙に荷物を盗む。
ⅱ) 引っ越し作業などで駐車車両を離れた隙に車内の荷物を盗む。
<対策>
・ 車には警報装置など盗難予防装置を設置する。
・ 駐車時、走行中は、ドアロックし、窓が閉まっているか確認する。
・ カーナビ、貴重品、鞄等を車の中に放置しない。
・ 警備措置が徹底された駐車場を利用する。
(ハ) 詐欺関係
<犯罪手口例>
ⅰ) 旅行中盗難にあい、食事代や宿泊代がないといってお金の借用を求める。
ⅱ) 偽札の捜査中である、財布の中を確認させてくれと求められる。
ⅲ) サイト利用料、電話帳掲載料あるいは義捐金名目の振込用紙を送付してくる。
<対策>
・ ガイドや警察官を騙る場合は身分証明書の提示を求める。
・ 財布等を調べると告げられた場合、警察署で所持品検査に応じると答え、110番通報で警察に連絡する。
・ 罰金を現金で要求された場合は、相手の所属機関に照会する旨を伝える。
・ あわててお金を振り込まない。まず、家族・親族等に連絡を取り相談する。
・ 心当たりのない請求等は必ず関係機関等に確認する。
・ 自国の大使館、総領事館に相談すると伝える。
(ニ) 強盗関係
・ 夜間あるいは人気のない場所で一人歩きしない。
・ 犯人を刺激する行動はとらない。
・ 金品より身体の安全を最優先に考え、不用意に抵抗しない。
・ 犯人や犯人の使用した凶器等の特徴をしっかり記憶する。
4.交通事情と事故対策
(1) 交通事故対応
ドイツでは道路もよく整備されており、交通マナーもよく守られておりますが、日本とは道路の通行方法(右側通行)、交通法規が異なり、標識等になじみのないもの(優先道路など)もあり、戸惑うケースも多々あります。また、事故が発生した場合など、とっさのことであわててしまうことがあります。万が一に備えて、保険会社連絡先等を控えておくとともに、事故発生時の対応要領を確認してください。
《交通事故発生時に行うべき処置》
○負傷者の救護が最優先。けが人がいたら、すぐに「112番」に通報して救急車を要請。
○二次的被害を防止するため、車両を路肩等に移動させ、自らも安全な場所に退避する。
この際、可能であれば事故現場の状況を写真やメモ等により記録する。
○「110番」で警察に通報して事故の状況を伝える。
○相手から、住所、氏名、連絡先、プレートナンバー、車種、保険会社名(保険証番号)等を聴取する。特に、駐車車両との接触事故などで相手が不在の場合、当て逃げとみなされないよう相手が現れるまで待つ。
○目撃者を確保して、氏名、連絡先等を把握する。
○警察官の所属、連絡先等を把握し、自分が契約している保険会社に連絡する。
(2) 交通ルールの遵守
ドイツでも飲酒運転の禁止やチャイルドシート、シートベルトの着用、冬期の冬タイヤの着装など、厳しい交通法規があり、取締りも頻繁に行われております。悪質な場合には免許停止や取り消しあるいは罰金が科せられることになります。また、冬場は路面凍結の可能性があり、霧等で視界が非常に悪くなる場合があります。交通法規や交通マナーを遵守して安全運転を心がけてください。
5.テロ・誘拐対策
(1) テロ対策
ドイツでは、2011年3月、フランクフルト空港においてイスラム過激主義者が米軍兵士2人を殺害するなどしたテロ事件が発生したほか、2012年12月のボン中央駅における爆弾テロ未遂事件をはじめ数多くのテロ未遂事件が発覚しております。
また、2014年以降、テロ組織「ISIL(イラク・レバントのイスラム国)」又はISILの主張に賛同しているとみられる者によるテロが世界各地で発生する中、ドイツの一部地域でもテロ攻撃の危険を考慮し、カーニバルのパレードを中止した事例も報じられるなどドイツをめぐるテロ情勢は引き続き予断を許さない状況にあります。
テロに巻き込まれないためにも、以下の点に注意して下さい。
・ 日頃からテロに関する情報に関心を持つ。
・ 警戒情報が発せられた場合、人の集まる場所等標的となりうる場所には近づかない。
・ 外出する際には、職場や家族に行き先や帰宅予定等を知らせておく。
(2) 誘拐対策
これまで当地において邦人の誘拐事件は報告されていませんが、日頃からターゲットにならないよう心がけることが重要です。
・ 不審な電話がしばしばかかってくる場合は警察に連絡し相談する。
・ 自動車の乗降や自宅出入りの際、付近に不審者・車がいないか注意する。
・ 生活行動をパターン化しない(通勤等のルートを時々変える)。
・ 自分の車が追跡されていないか注意する。
・ 未知の人物の停車要求には応じない。未知の人物を自分の車に乗せない。
6.緊急連絡先(主にデュッセルドルフ市の場合)
○ 警察 110
○ 消防(救急車) 112
○ ADAC-InfoService Tel:0180-5101112
-故障車の救援 Tel:0180-2222222
-携帯電話直通 Tel:22-22-22
○ 遺失物取扱所(Fundbüro) Tel:0211-8993285、8994199、8994231
○ クレジットカード会社
・ VISA 契約カード会社による
・ Master +1-636-722-7111
・ JCB 0800-1-82-2991
○ 犯罪被害者支援NGO
・「SPERR-NOTRUF116116」 Tel:116116 (カード類、携帯電話の一括停止)
・「WEISSER RING」 Tel>116006 (盗難被害時の一時金貸与や性犯罪被害への支援等)
○ 在独大使館・総領事館
・ 在ドイツ日本国大使館 Tel:030-21094-0
・ 在デュッセルドルフ日本国総領事館 Tel:0211-16482-0
・ 在ハンブルグ日本国領事事務所 Tel:040-333017-0
・ 在フランクフルト日本国総領事館 Tel:069-238573-0
・ 在ミュンヘン日本国総領事館 Tel:089-417604-0
7.緊急の場合の現地連絡用語等
(1) 盗難( Diebstahl )
・私はかばん(荷物)を置き引きされました。
Ich habe meine Tasche (mein Gepäck) abgestellt und sie (es) ist mir gestohlen worden.
・私はかばんをひったくられました。
Man hat mir die Tasche weggerissen.
・私の家に泥棒が入り、お金(貴重品)を盗まれました。
Bei mir ist eingebrochen worden. Es ist (sind) Geld (Wertsachen) gestohlen worden.
・私はマリーエン通りにとめてあった自動車のガラスを割られ、バッグが盗まれました。
Ich habe in der Marienstraße angehalten. Dort ist meine Autoscheibe zerstört und meine Tasche aus dem Auto gestohlen worden.
・道路に駐車していた私の車が盗まれました。
Ich habe mein Auto auf der Straße geparkt, und dort ist es gestohlen worden.
(2) 詐欺( Betrug )
・私は(誰々に)お金をだまし取られました。
Ich bin (von______) nach Wechselgeld gefragt worden. Dabei hat man mir mein Portemonnaie gestohlen.
(3) 強盗( Raub )
・私はビスマルク通りで背後から首を絞められてバッグを奪われました。
Ich bin in der Bismarckstraße von einem Mann von hinten gewürgt worden. Dabei hat man meine Handtasche geraubt.
・私はナイフを持った強盗にあい、かばんを奪われました。
Ich bin mit einem Messer bedroht und meine Tasche ist geraubt worden.
(4) 暴行( Gewalttat )
・私は男に殴られ怪我をしました。
Ich bin von einem Mann verprügelt und verletzt worden.
(5) 交通事故( Verkehrsunfall )
・私は今、ケーニヒスアレーにいます。車同士の交通事故が発生しましたので警察官の派遣をお願いします。けが人はいません。
Ich befinde mich auf der Königsallee. Zwei Autos sind zusammengestoßen. Bitte schicken Sie einen Streifenwagen. Es gibt keine Verletzten.
・私は今、ベルリーナアレーにいます。交通事故が発生し、けが人がいるので救急車をお願いします。
Ich befinde mich auf der Berliner Allee. Es hat sich ein Verkehrsunfall mit Verletzten ereignet. Bitte schicken Sie einen Krankenwagen.
(6) 被害届(Schadensmeldung)等
・私は警察に被害届けを出したいのですが、どうすればいいのですか。
Ich möchte einen Schaden melden. Was ist dafür notwendig ?
・インマーマン通りに警察官の派遣をお願いします。
Bitte schicken Sie einen Polizeiwagen in die Immermannstraße.
・すぐ来てください。不審者がいます。住所はカール通り 16 番地です。
Bitte kommen Sie sofort. Es gibt eine verdächtige Person. Meine Adresse ist Karlstr.16.
・被害届出証明書を作成してください。
Hiermit beantrage ich die Aufnahme eines Schadensprotokolls.
(7) 被害届出証明作成依頼書 (Beantragung eines Schadensprotokolls)
被害届出証明作成依頼書(PDFファイル)をご利用ください。
1.平素の準備と心構え
(1) 連絡体制の構築
(ア) 在留届は緊急時の連絡等に不可欠ですので、必ず提出して下さい。また、帰国、転居等で届出内容に変更があった際は、必ずその旨を当館に連絡願います。
(イ) 当館では、デュッセルドルフ日本商工会議所、デュッセルドルフ日本人学校、日本クラブ等と連絡体制を構築しています。緊急事態の発生に備え、平素から皆様が所属する団体等の連絡網を確認するよう努めて下さい。また、引越、転勤、会社の移転または電話番号等に変更があった際は、速やかに団体等に連絡願います。
(ウ) 緊急事態はいつ起こるかわかりません。家族間、企業内等での緊急連絡方法を予め決めておき、お互いの所在を知らせておくよう習慣づけましょう。
(2) 緊急事態における携行品等非常用物資の準備
(ア) 旅券、現金、貴重品等最低限必要な物は直ちに持ち出せるよう、予めまとめて保管しておくようにお願いします。
(イ) 緊急時には、一定期間、自宅待機となることもありますので、非常用食料、医薬品などを備蓄しておくようにお願いします。
(ウ) 緊急事態に備えて準備しておくべき物品は、別添2のチェックリストを参考にして下さい。
2.緊急時の行動
(1) 心構え
平静を保ち、流言蜚語に惑わされたり、群集心理に巻き込まれることのないように注意し、正確な情報に基づいて冷静に行動するよう心がけて下さい。
(2) 情勢を把握
(ア) 当館からは、ホームページ、一斉メール等を通じて情報を提供します。また、緊急事態の内容によっては各企業や団体の連絡網を通じて情報伝達や安否確認をお願いすることもありますのでご理解とご協力をお願いします。
(イ) 緊急事態発生の際には、当地報道、テレビ、ラジオなどのほか、当館ホームページや外務省の渡航情報等インターネットによる情報収集を心がけるようにお願いします。
(3) 当館への通報等
(ア) 現場の状況のうち通報する必要があると認めたものは、随時、当館に直接又は日本クラブ、日本商工会議所、日本人学校等を通じて通報願います。その他の在留邦人の方々の貴重な情報となります。
(イ) 自分や自分の家族又は他の邦人の生命・身体・財産に危害が及び又は及ぶおそれがあるときは、迅速かつ具体的にその状況を当館に報告願います。
(ウ) 緊急事態の際には、お互いに助け合うことも必要になりますので、近隣の方々とは普段から良好な関係を築いておくことが重要です。また、当館より皆様に種々の助力をお願いすることもございますのでご協力願います。
緊急時の持出品チェックリスト(PDFファイル)のとおりです。