警察官等を騙るトリック詐欺にご注意ください。

令和2年1月21日
【ポイント】
16日付、当地ライニッシェポストは、警察官や官公庁職員、孫を騙るトリック詐欺の発生状況について報じており,そのポイントは以下のとおりです。犯人は一般宅に架電し,警察官や官公庁職員、孫を装って巧みな話術で金銭を要求しますが,安易に相手の話に応じることなく,家族や警察に相談するなど慎重に対応し,被害防止に努めてください。

【内容】
1.発生状況
(1)警察官及び官公庁職員を騙った詐欺
●ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州刑事庁(LKA)の統計によれば、偽警察官及び官公庁職員を騙った者による詐欺事件の発生件数等(NRW州内)は、以下のとおり。
・2018年1~12月:発生(既遂)289件、被害総額約1,240万ユーロ
・2019年1~9月 :発生(既遂)284件、被害総額約1,120万ユーロ
●主な手口は、一般宅に対して警察官を騙って架電し,「付近で空き巣犯が徘徊しているので、同僚の警察官があなたの現金と貴重品を保管するため訪問する。」などと伝え,その後,偽警察官が自宅にやって来て金品を騙し取るもの。
●LKAによれば、上記被害に関する統計は「氷山の一角」で、警察に被害申告がなされていない事件が,さらに約同数存在するのではないかとの推察。
(2)孫を騙った詐欺
●LKAの統計によれば、孫を騙った者による詐欺事件の発生件数等(NRW州内)は、以下のとおり。
・2018年1~12月:被害者210人、被害総額約300万ユーロ
・2019年1~9月 :被害者160人、被害総額約240万ユーロ、被害申告件数2,824件(うち未遂が2,614件)
●被害者の大部分が高齢者で、2019年12月、ドルトムント市内で、年金受給者に対する41,000ユーロの詐欺被害も発生。
●主な手口は、一般宅に対して孫を騙って架電し,被害者に金銭的支援を求め、金品を騙し取るもの。

2.トリック詐欺の犯人像等
●警察によれば、トリック詐欺はプロの犯罪組織によって行われ,犯人検挙が非常に困難。
●犯人は被害者に姿を見られないよう,現金について,被害者の元に直接受け取りにくることはせずに,生け垣やゴミ箱に置いておくよう指示することもある。
●被害者宅に現金を受け取りに来る者は犯罪組織の末端であり、犯罪組織の拠点は東欧に所在。
●詐欺電話を見抜いて、被害に遭わなかったとしても、詐欺電話を受けた際は,警察に通報すべき。

3.トリック詐欺への対処法
以下の点にも注意し、被害防止に努めてください。
●警察官や官公庁職員、孫を名乗っているからといって、安易に信用して対応しないこと。
●電話の相手方に対して家族構成や財産に関する情報を安易に提供することは控え、不審に感じた場合は、相手が本物であるかどうかを見抜くため、いくつか質問を試みること。
●電話の相手方から金銭の要求があった場合は、安易に応じることは控え,周囲の家族や警察に相談するなど、一人で判断しないこと。