安全対策情報(2020年7~9月)

令和2年10月2日
令和2年度第2四半期(令和2年7~9月)における海外邦人安全対策情報は、以下のとおりです。当地における防犯対策等の参考としてください。
 
1.社会・治安情勢
(1)8月15日、デュッセルドルフ市旧市街で、地元警察が職務執行中、少年1名(15歳、ドイツ及びモロッコの二重国籍者とされる)より妨害を受けたため、当該警察官がその場で同人を制圧したところ、当該状況を撮影した動画がツイッター上で拡散し、本年5月に米国において死亡した黒人男性に対する制圧行為の状況を彷彿させるとして物議を醸した。
 これを受け、ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州内務省では他のビデオカメラ画像も含めて検証を行い、その後、「警察官は少年の「頸部」ではなく、頭部」を押さえ付けていたものであり、法的に許容され、正当な職務執行であった。」旨を発表したほか、少年の過去の犯罪歴(傷害、窃盗等の前科あり)や本件制圧行為直前の警察官に対する暴行等が明らかとなったことで、事態は収束した。
 
(2)9月13日午前0時過ぎ、NRW州シュトルベルク(Stolberg)市内(デュッセルドルフの南西方約80キロに所在し、ベルギー、オランダとの国境付近)を走行中の車両運転手に対して、刃物使用による襲撃事件が発生し、同日夕刻、地元警察により被疑者男性(21歳、ドイツ系イラク人とされる)は拘束された。被疑者は犯行時「アラー・アクバル」などと叫んだとされ、本件犯行の背景にイスラム主義の存在が排除できないとして、ケルン市警察において捜査が継続されることとなった。
 
(3)9月16日、NRW州の警察職員に対し、複数の右翼過激主義的なチャットグループに関与していたとの容疑で大規模な捜索が行われ、警察職員約30名に対する捜査が進められている。なお、当該全ての警察職員に対し、直ちに停職処分が下された。
 
2.一般・凶悪犯罪の動向
(1)7月4日午前7時過ぎ、邦人女性がデュッセルドルフ中心街(シュテファニエン通り及びクロスター通りの交差点付近)を歩行中、前方から被疑者(女性、20歳、ドイツ国籍者)が「5セントをくれないか。」と言って接近し、これを拒んだ邦人女性のショルダーバックを強取しようとする路上強盗未遂事件が発生。被疑者は、当地警察において把握済みの麻薬中毒者であり、間もなく犯行現場直近で身柄を拘束された。
 
(2)7月9日付、NRW州内務省は、新型コロナウイルス感染症の流行が本格化した本年3~6月末までの期間における、犯罪発生件数(速報値)を公表したところ、その内容は以下のとおり。
 総 数:365,676件(昨年同期間比-107,954件、約23%減)
 空き巣:5,290件(昨年同期間比‐2,271件、約30%減)
 強 盗:2,821件(昨年同期間比-998件、約26%減)
 ス リ:6,511件(昨年同期間比-4,127件、約39%減)
 高齢者に対する犯罪:12,104件(昨年同期間比-1,446件、約11%減)
 家庭内暴力:10,479件(昨年同期間比-2,751件、約20%減)
 
(3)9月10~11日の夜間にかけて、デュッセルドルフ大学病院に対するハッカーによるサイバー攻撃事案が発生し、同大学病院のサーバー30台がマルウェアによって暗号化された。当該事案の発生により、同大学病院を利用できず、ヴッパータールに所在する遠方の医療機関に搬送され、死亡するに至った女性患者に対する過失致死の容疑で、捜査が進められている。
 
3.テロ・爆弾事件発生状況
  この種事案の発生は認知していない。
 
4.誘拐・脅迫事件発生状況
  邦人被害に係る事案の発生は認知していない。
 
5.日本企業の安全にかかわる諸問題
  この種事案の発生は認知していない。