平成31年度第1四半期(平成31年4月~令和元年6月)における海外邦人安全情報について

平成31年度第1四半期(平成31年4月~令和元年6月)における海外邦人安全情報についてお知らせします。
 
 
1 社会・治安情勢
(1)4月8日、オーバーハウゼンにおいて、当地警察がテロ組織イスラム国(IS)に対して支援を行った容疑で、関係7か所への家宅捜索を行い、被疑者8名(ボスニア出身のドイツ国民、19歳から57歳までの者)を逮捕し、デュッセルドルフ検察局において、イスラム国(IS)への送金方法等詳細について捜査が行われることとなった。
(2)5月14日、ケルン市において、当地警察がテロ組織に支援を行った容疑で、被疑者1名(ドイツ及びチュニジアの二重国籍者、38歳)を逮捕した。同被疑者は、テロ組織イスラム国(IS)のためのプロバガンダの発信、国内のイスラム教徒に対するシリアのアサド政権との戦いへの参加の呼び掛け、テロ組織に対する8万ユーロ相当の物品の支援等を行っていたとされている。
(3)6月2日、ヘッセン州内のカッセル特別行政管区長官で、キリスト教民主同盟(CDU)所属のワルター・リュプケ氏(65歳)が、自宅テラスで射殺された状態で発見された事件で、極右過激派と関わりのある男性(45歳)が逮捕された。連邦検察局は、本事件を極右過激派による政治的暗殺事件と認定し、現在、捜査が進められている。リュプケ氏は、難民保護政策を推進する中で、過去に「この政策に共感できない者は国を立ち去ることができる。」旨の発言をしたことで、ネット上で非難や脅迫を受けていた。6月19日、リュプケ氏と同様に難民保護政策を掲げている、ケルン市長ヘンリエッテ・レーカー氏、アルテナ市長アンドレアス・ホルシュタイン氏等複数の政治家に対しても、生命の危機を脅かす内容の脅迫がなされている事実が報じられた。
 
2 一般・凶悪犯罪の傾向
(1)NRW州内の犯罪情勢の概況
2018年のNRW州における犯罪認知件数は1,282,411件と前年対比で90,949件(-6.6%)減少し、1991年以降の統計で最小となった。しかしながら、当該認知件数は、日本の犯罪認知件数(2018年:817,338件)を大幅に上回っているほか、デュッセルドルフ市、ケルン市等の大都市では毎日のように、強盗、傷害等の凶悪犯罪が発生しており、日本と比較すると依然として治安情勢は厳しい状況にある。
認知件数の内訳は以下のとおり。多くの犯罪類型で認知件数が減少するも、性犯罪については近年増加傾向にある。
●暴力犯罪(殺人、強姦、強盗、傷害等):45,300件(対前年比-2.9%)
●空き巣等                 :29,904件(対前年比-23.4%)
●すり                   :34,064件(対前年比-17.3%)
●車上ねらい                :72,840件(対前年比-13.1%)
●性犯罪                  :14,076件(対前年比+9.2%)
●詐欺                   :193,097件(対前年比-15.5%)
●薬物犯罪                 :68,099件(対前年比+2.1%)
(2)邦人被害事案
5月下旬、デュッセルドルフ市中央駅構内、ケルン市中心街の商業施設等において、邦人に対するすり被害が発生しており、いずれの事案も、被害者の所持していたポシェット、リュック等のファスナーが何者かによって巧妙に開放され、同所に保管していた旅券、現金等の貴重品が窃取されたもの。当地では、貴重品を自身から死角となる位置に保管しない、他者と不用意に接近しないなど常に高い防犯意識を保持して行動することが重要である。
(3)邦人以外の被害事案
ア 5月上旬、デュッセルドルフ市内で警察官等を装った者が、一般宅に架電し、「あなたの近所で空き巣被害が発生した。空き巣被害に遭わないよう、あなたの貴重品や現金を我々が保管する。」などの文言で金品を詐取しようとする事案が連続発生したことから、当館から在留邦人に対して領事メールを発出し、被害防止のための注意喚起を行った。
イ 以下の事案を始め、刃物使用の傷害事件が続発している。いずれも夜間帯で、平素から人の往来がある場所で発生しており、地元警察によれば、最近、刃物使用の犯罪が増加しているとのことである。けんか、酔っ払い同士の騒ぎ等の状況に遭遇した場合は、不用意に接近してトラブルに巻き込まれることのないよう注意が必要である。
○ 6月14日23時過ぎ、ケルン市ミュルハイムの公園で2名が口論となり、うち1名が相手方により上半身をナイフで刺されて病院に発送された(その後、被疑者は逮捕。)。
○ 6月16日夜、デュッセルドルフ市のライン河畔のプロムナードで複数の若者同士によるけんかがあり、このうち2名が相手方から顔や腹部をナイフで刺され、重傷を負った。
ウ 6月27日21時半ころ、デュッセルドルフ空港付近で運行中の路線バス内で、精神錯乱者と思われる乗客の男性が運転手をいきなりナイフで襲撃する事件が発生した。同運転手は重傷を負い、病院へ緊急搬送された。他の乗客への被害はなく、被疑者はその場で警察官に逮捕された。
 
3 テロ・爆弾事件発生状況
認知していない。
 
4 誘拐・脅迫事件発生状況
邦人被害に係る事案は認知していない。
 
5 日本企業の安全に関わる諸問題
5月から6月にかけて、当地等に所在する日系企業事務所の代表電話宛てに、当該企業本社の社長名を名乗る者からの詐欺電話が連続発生した。他国では、電話に応対した日系企業に対して現金の振込みを要求するケースも発生しており、当該電話は現金詐取を目的とした犯行と認められる。当該事案を認知後、当館から日本商工会議所を通じ、当地所在の日系企業に対する注意喚起文を発出して被害防止対策を呼び掛けており、現時点、具体的な金銭的被害の発生は認知していない。