安全対策情報(2021年10~12月)

令和4年1月12日
令和3年度第3四半期(令和3年10~12月)における海外邦人安全対策情報は、以下のとおりです。当地における防犯対策等の参考としてください。
 
1.社会・治安情勢
【NRW州デューレン地区でイスラムネットワークを形成したとされる被疑者らを一斉捜索】
●10月28日、NRW(ノルトライン=ヴェストファーレン)州治安当局は、デューレン地区(ケルン市中心部より南西方向40キロ地点に所在)において、イスラムテロネットワークを形成していたとされる被疑者7名(16歳から22歳まで青少年)に対する大規模な捜索を実施。同7名中6名は、かねてより警察においてイスラム過激主義に関する「危険人物(Gefaehrder)」として分類・把握されており、彼らは森の中で戦闘訓練に取り組んでいたほか、昨年11月、オーストリア・ウィーンにおける銃撃テロの実行犯や、欧州内の他のイスラムテロネットワークとつながりを有していたとして、現在、治安当局において捜査が進められている。
 
【コロナ規制反対デモの活発化】
●12月に入り、ドイツ国内各地で「Querdenken(※)」を中心とするコロナ規制反対(ワクチン接種の強制反対を含む)デモ・集会が多数行われており、NRW州内でも、デュッセルドルフ市で週末に3週連続で数千人規模(報道によれば最大約4,000名)の参加者によるデモが実施されたほか、ケルン、ボン、アーヘン、ビーレフェルト、ミュンスター、ドルトムント等他の都市でも、同種デモ等が週末を問わず大小様々な形で実施された。
 同デモ等の主催者は、SNS等を通じて、週末だけでなく平日にもデモを行うよう広く参加を呼び掛けているほか、当局に対する事前の届出を行わず突発的に行われる状況も見られるところ、不測の事態に巻き込まれないよう、引き続き注意が必要。
(※)「Querdenken」が実施するデモ等には、右翼過激主義者が参加し、他の参加者への過激思想に係る扇動行為が見られることから、治安当局において危険視されている。
 
2.一般・凶悪犯罪の動向
【デュッセルドルフ市内の集合住宅等の地下物置で盗難被害が連続発生】
●9月から10月にかけて、デュッセルドルフ市内の集合住宅等の地下物置から高価なスーツケース等が盗難被害に遭う事案が連続発生した。暗い時間が長くなる冬期は、一般的にこの種の侵入窃盗事案が増加傾向にあるとされており、防犯対策について一層の注意が必要。
 
【武器携帯禁止区域の導入】
●11月以降、デュッセルドルフ市旧市街において、若者同士のトラブルに起因する刃物使用による傷害致死事案等が連続発生したことを受け、NRW州政府は、州令を制定し、12月21日付で、デュッセルドルフ市旧市街及びケルン市内の2か所(旧市街を囲むRingeエリア及びZuelpicher通り)に「武器携帯禁止区域」を導入した。同措置は、一定の区域において、一定時間帯(金・土曜日の夜から翌朝、祝祭日の前日等)、特定の武器等(刃体の長さ4cm以上のナイフ、銃器、刺激性スプレー等)の携帯を禁止するもので、違反者には最大1万ユーロの反則金が科せられる。
 警察は、今後、同区域において抜き打ち検査を行い、同措置の遵守状況を監視するものとみられるところ、同禁止区域導入による粗暴犯の抑止効果について注目されている。
 
3.テロ・爆弾事件発生状況
  この種事案の発生は認知していない。
 
4.誘拐・脅迫事件発生状況
  邦人被害に係る事案の発生は認知していない。
 
5.日本企業の安全にかかわる諸問題
  この種事案の発生は認知していない。