平成30年度第3四半期(平成30年10~12月)における海外邦人安全対策情報について

平成31年1月11日
平成30年度第3四半期(平成30年10~12月)における海外邦人安全対策情報についてお知らせいたします。
 
1.社会・治安情勢
(1)9~10月にかけて、ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州警察は、ケルペン市に所在するハンバッハの森を不法に占拠する極左活動家のツリーハウス等の立入りと撤去等を実施。同森林周囲には、RWE社が大規模な褐炭採掘所を展開しており、森林をさらに伐採して採掘所を拡大したい同社の方針に対し、活動家は森林破壊・希少動物生息地破壊を主張して過激な抗議を継続している。本件についてはRWE社と環境保護団体BUNDとの裁判が行われ、環境保護団体の主張が勝訴している。
(2)12月12日、NRW州議会で州警察法の改正法案が通過。これによって、テロ容疑者の長期拘束が可能となるとともに捜査権限が大幅に強化される。また、DV被疑者や児童虐待被疑者などに対する捜査権限も強化される。
 
2.一般・凶悪犯罪の傾向
(1)10月15日正午過ぎ、ケルン中央駅において人質事件が発生。シリア難民の背景を有する55歳の被疑者が駅構内の店舗にガソリンをまいた後、着火した火炎瓶を投擲して爆発炎上させ、隣接する薬局店員を人質に立て籠もったもの。その後被疑者は警察の特殊部隊の射撃を受け制圧された。警察は現在も、犯行の動機や背景を捜査中であるが、イスラムテロの背景は薄いとしている。
(2)12月20日午後3時前、レックリングハウゼン市内のバス停でバスを待っていた人々に普通乗用車が突入し、少なくとも1名が死亡、6名が負傷する事件が発生。事件の背景については捜査中とのことであるが、運転者に自殺願望があった可能性があるとのことである。
 
3.テロ・爆弾事件発生状況
(1)10月17日、ケルン・ボン空港において、ISの構成員であったとしてドイツ国籍の46歳女性が拘束された。
(2)11月14日、警察がメンヒェングラートバッハに所在するイスラム文化協会に対し、結社法違反に基づく捜索を実施。警察は現在も、同協会が何らかの形でイスラム過激主義者を支援していたとの疑いで捜査を継続している。
(3)11月15日、ボーフムにおいて、ISの構成員であったとしてドイツ国籍の26歳女性が拘束された。
 
4.誘拐・脅迫事件発生状況
 邦人被害に係る事件は認知していない。
 
5.日本企業の安全に係る諸問題
 注意を要する具体的な情報は認知していない。