平成29年度第3四半期における海外邦人安全対策情報

平成30年1月11日
平成29年度第3四半期(平成29年10~12月)における海外邦人安全対策情報についてお知らせします。
 
1.社会・治安情勢
(1)新州政府による治安対策
 昨年5月に行われた州議会議員選挙で、ノルトライン=ヴェストファーレン(NRW)州ではCDUとFDPからなる連立政権が誕生した。治安等を担当する内務省もラウル新大臣(CDU)のもと、警察官の増員、州テロ追跡センターの開設(本年当初目処)、各都市における車両侵入防止対策、大晦日等大規模イベント時の警備強化等の新たな施策を実施している。
(2)クルド系団体のデモの過激化
 11月4日、デュッセルドルフでクルド系団体によるデモが行われた。デモ隊が市内中心部(当館から北方約200メートルの路上)を通過する際、禁止行為がみられたため警察がデモ隊を停止させたところ、参加者の一部が警察官を攻撃する等エスカレートし(警察官3名が負傷)、警察は参加者9名を逮捕するとともに、同デモを中止する措置を講じた。
(3)メアブッシュ市郊外での列車事故
 12月5日夜、メアブッシュ市郊外で普通列車が貨物列車に衝突し41名が負傷(邦人の被害はなし)。
 
2.一般・凶悪犯罪の傾向
(1)アルテナ市長襲撃事件
 11月28日夜、アルテナ市(州都デュッセルドルフの東方約50kmの山間部に所在する人口約1.8万人の自治体)のホルシュタイン市長が、56歳男性にナイフで襲撃され軽傷を負った。被疑者は排外主義的動機を有しており、積極的に難民受け入れを推進していた市長の政策に反対したものと思われる。
(2)凶器使用の犯罪増加
 上記事件も含め、10~11月、州内各地ではナイフ等凶器を使用した傷害事件が多発
した。特にデュッセルドルフ市では、10月に連続的に同種事件が発生したため、凶器所持者等に対する対策を強化するよう検討しているところ。
 
3.テロ・爆弾事件発生状況
 本年10~12月、NRW州においてテロ事件の発生はなく、テロを計画等していた関連被疑者の検挙もなかった。 
 
4.誘拐・脅迫事件発生状況
 邦人被害に係る事件は認知していない。
 
5.日本企業の安全に係る諸問題
 注意を要する具体的な情報はみられない。