福島レポート第5回:内堀県知事がNRW州を訪問

こんにちは。少し遅れてしまいましたが、本年もドイツの皆様にとって良い1年でありますようお祈り申し上げます。日本も四月に入り、新年度が始まりました。
 
今年に入ってからの3ヶ月間もNRW州―福島県の交流が活発であったため、前回の予告から変更して、このことについて報告させて頂きたいと思います。
 
私が福島県に配属になってから、両副知事がNRW州を訪れましたが、今年1月には初めて内堀知事と福島県の経済団体がNRW州を訪問しました。3日半の短い滞在の中、数多くの喜ばしい訪問が実現しました。その中でも、1月17日にデュッセルドルフ市にある州首相府でハネローレ・クラフト首相と行われたミーティングが最も印象的でした。福島県とNRW州のトップ同士が会談するのが初めてでもあったので、フランツ-ヨーゼフ・レルシューメンゼ大臣、トーマス・ ブロイシュテッド次官や水内総領事も同席しました。今までの密接で信頼のある交流関係について話し合われた後、特に医療関連産業と将来のエネルギー供給の二つのテーマが中心に話し合われました。そこでは、双方がかかえる課題が似ていることが明らかになり、今後、より深い協力を行いながら課題を解決していくことで一致しました。内堀知事は福島県で進んでいる復興の状態を説明した上で、クラフト首相宛に招待の言葉を話されました。クラフト首相は招待を受け、5月に行われる州選挙の後には日本を訪問したいと述べました。その際は”パートナー地域”である福島県にも行きたいと答えました。このミーティングでは今までの連携がさらに強化でき、今後の交流をより密接にする為の大事なきっかけになりました。
 

福島県訪問団(経済団体を含む)のNRW首相府訪問

その前日の1月16日には、2014年NRW州環境省と締結された覚書が更新されました。この日は、内堀知事、福島の経済団体、 NRW州の関係するパートナーの他に、立会人としてエッセン市のクーフェン市長とザーベック市のロース市長がレンメル環境大臣からNRW州議会に招待されました。
この二人が立会人であることにも、福島県との深い関わりがあります。エッセン市は今年“欧州グリーン首都賞”を受賞し、持続可能エネルギー産業と健康産業の専門的な交流の可能性について郡山市との話し合いが始まっています。また、“NRW州気候コミューン”であるザーベック市は、福島県と長年友好的な交流があり、最近では県内の新地町とコミュニケーションをとっています。
このような背景から更新された覚書は内容もアップデートされ、エネルギー関係の専門家交流等が新しく追加されました。また、“EnergieAgentur.NRW”を見本とした“Energy Agency. FUKUSHIMA“も今年度、新たに設立され、目標の1つとして県内での再生可能エネルギーの推進に取り組んでいく予定です。
 

MoU更新の署名の様子 - 内堀知事(左)とレンメル大臣(右)

MoU更新締結式(左から:水内総領事、渡邊会長、クーフェン市長、内堀知事、レンメル大臣、加藤会長、ロース市長)

上記で説明した州と県との覚書の他にも、フラウンホーファー研究機構と福島県で交わされた覚書も更新されました。この覚書は同じく再生可能エネルギー分野であり、目的は再生可能エネルギーの推進の為の技術開発です。
医療関連産業分野でも覚書があり、デューン経済大臣と内堀知事のミーティングでは、今年8月で終了するこの覚書についての意見交換が行われました。今まで、数多くの成功例と期待出来る取引関係が出来上がっているので(詳しくは第4回レポートをご覧下さい)、二人の間で覚書を是非更新しようと言う内容で合意されました。準備は既に始まり、覚書の細かい内容も現在、州と県の間で調整中です。夏の終わり頃にはこの件についてもご報告できると思います。
 
福島県から訪問団が来州するときはいつも、ふくしまセミナーと、県内の美味しい米や日本酒が提供されるレセプションが開催されています。1月16日のセミナーには、内堀知事が地域の復興の進捗状況について自ら講演され、100人以上の聴衆が集まり満席になりました。その他にも、NRW.International GmbHのシュミッツ社長、EnergieAgentur.NRWの代表者のDr. バウマン氏、産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所(FREA)の大和田野所長とCyberdyne Inc.の安永部長がそれぞれの分野でのNRW州と福島県との間の連携について講演されました。
 

盛大に開催されたふくしまセミナー

内堀知事のCyberdyne社訪問

つくば市で立ち上げられ、福島県内に拠点を作ったCyberdyne社は、海外進出のためのネットワークを作って行く成功例として挙げてもいいでしょう。彼らはNRW. Japan K.K. の支援を受け、無事NRW州に進出し、ロボットスーツHALを活用したリハビリトレーニング施設を盛大に開所し運営を始めました。HALは現在郡山市で製造され、その工場は福島県の補助金を利用して建てられました。内堀知事はNRWボーフム市にある当施設を訪問し、施設やHALを活用した患者さんの治療経過を視察されました。ロボットスーツの大きな需要を知り、喜ばれると同時に今後のさらなる発展を期待されました。
 
その他、NRW州福島県人会(レポート第3回)との面談や、ザーベック市とテュフ・ラインランドへの訪問が行われました。
 
今までの訪独と比べると、今回の準備は私にとって一筋縄ではいかないものでした。しかし無事に終えることができたのは、NRW州にいる方々のお陰です。この場を借りて、感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。帰国後、知事のオフィスにはクラフト首相からいただいたお土産が部屋の真ん中に飾られたことから、知事の満足感も知ることができました。
 

クラフト首相と内堀知事とのお土産交換

福島の伝統的な文化や工芸品には、5月20日(土)デュッセルドルフ市で開催されるジャパンデーで触れることができます。
今年はNRW州のパートナーの方々の他に新しくNRW州環境省の方々にもお手伝い頂き、みんなで福島ブースを盛り上げていきます。ぜひお待ちしております!
 
ジャパンデーでも上映する予定の福島県医療関連産業についてのドキュメンタリー(ドイツ語)は以下のリンクでもご覧になれます:
 
パート1.
https://www.youtube.com/embed/fjpl2cvGRNQ?&rel=0
パート2.
https://www.youtube.com/embed/mKroAu6IzOU?&rel=0